帆前掛の工程

「三河木綿」と「硫化染め」の本物の帆前掛けは使うほどに味がでます。

布地

帆前掛けの「布」は昔からの三河木綿。仕事人がこだわる丈夫な布です。

三河木綿

帆前掛け用に織られた布は分厚く、作業用に適していて、使うほど身体になじみ、しなやかに手になじむ。そんな「仕事人がこだわる」布です。

糊置

伝えたい「想い」をがこもったデザインに、丁寧に糊をのせて作ります。

たった1枚の帆前掛けでも、オリジナルに込められた想いを型にして、職人が丁寧に糊をのせて、綺麗に浮かびあげていきます。

染め方

伝統の「硫化染め」は布糸の1本1本に浸み込ませるように染め抜きます。

硫化染めの帆前掛けは日光や摩擦に強く生地糸の1本1本まで染料が浸透して裏までキレイに染め抜きます。仕事人がの前掛けに適した染め方です。

硫化染め(硫化浸染)の帆前掛け

使うほどに程よく色が抜け独特の風合いを増す。
「硫化染め」は、藍染ほど色落ちがせず、使うほどに程よく色が抜け独特の風合いを増す。日本の職人の心意気とともに長く愛用される仕事着に使われてきました。
伊藤染工場では、伝統の帆前掛けや消防半纏を、この硫化染めで染めています。

型抜き

お客様の想いをデザインした型紙をパソコンでつくり、カッティングプロッターでカットしたものを丁寧に抜いていきます。
近年は、パソコンでの処理になりましたが、それまでは職人により下絵を描き、手作業で型をカットしておりました。当時の型が今でも当社の蔵に残っております。時代が変わり若い職人になっても、その心を引継ぎながらこの型抜き作業をしております。

型抜き

練地(ねりじ)

帆前掛け10枚分がひと続きになった三河木綿の生地の糊や汚れをとり、布を柔らかくしてきれいに染め上げるために、熱湯で煮てから天日干しにします。

練地(ねりじ)

糊置(のりおき)

もち米で作った糊に防染剤を入れ糊置きをします。
生地にデザインの型紙をのせて、生地の白く抜きたい部分に糊をヘラで置き、糊を定着させるために表面におがくずをかけて屋内で乾燥させます。

染色準備

糊が乾いたら、生地が縮まないようにステンレス製の伸子(しんし)をはり、硫化染めを行う前に、アルカリ溶液に浸します。

染める

硫化染料に還元剤を混ぜて、60~70℃の溶液にして、伸子掛けをした反物を沈めます。 およそ5分間浸けて染色します。その後ゆっくりと上げ、色ムラにならないよう素早く生地を広げて空気酸化をします。 その後、酸化剤を加えた溶液に通し、布の脆化を防ぐとともに発色を更に良くします。

水洗い

染めた後はすぐに真水で洗い、生地の両面にブラシをかけ糊を落とします。
その後自動水洗機で水洗いをした後に、更に手洗いで仕上げ洗いをし、染め上がりを確かめながら余分な染料を充分に落とします。

(伊藤染工場の水洗い工程は、充分な水洗いをしておりますが浸染の性質上、多少染料が布に残ります。ご利用前に一度お洗濯をしてお使いください。)

水洗い

仕上げ

水洗いが終わったら、日光による天日干しを行います。梅雨の時期など天候が不順な時期は、お急ぎものに限り室内で乾燥させることもございます。

乾燥